"KSB"(Kochi Startup BASE)のジャーナル

【Part 2】こうち100人カイギ vol.7 森田浩路(陶芸家 もりたうつわ製作所代表)/かずさまりや(フリーランス 編集者(閃光舎)/ こうち食べる通信副編集長 )

2019年1月よりKochi Startup BASEにて始まった「こうち100人カイギ」。今回は、2019年7月10日(水)に開催された、vol.7の様子をお送りします。

今回の登壇者は、デザイナー、アート、アーティストなど芸術の領域で活躍する方々。どなたも自分のできることを地域や周りに還元していきたい、という想いを持っているように感じました。会場内も時折、笑いが起こったり、共感して頷く瞬間があったり、それぞれの話に興味深く耳を傾けていました。
参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。

<こうち100人カイギ vol.7の登壇者>
竹花 綾 さん(Part 1掲載)
川鍋 達 さん (Part 1掲載)

森田浩路 さん(Part 2掲載)
かずさまりやさん (Part 2掲載)

横田佳歩さん (Part 3掲載)
山下 裕矢さん (Part 3掲載)

 

3人目の登壇者は、
陶芸家(もりたうつわ製作所代表)の森田 浩路(もりた ひろみち)さん。

<プロフィール>

1979年生まれ。高知県土佐市出身。
高知県土佐市で陶芸家として活動中。茶碗やカップ、皿など普段使いの食器をメインに、なるべく使いやすく、シンプルな作りを心がけて制作している。ギャラリーを兼ねた工房では、陶芸を交えたイベントを定期的に開催。また、陶芸の楽しさや奥深さを知ってもらう為、学校や保育園、老人ホームといった様々な施設での出張陶芸も開催している。

 

陶芸家として活動中
ギャラリーのオーナー兼陶芸家でもある森田さん。ギャラリーには、ご自身の作品を展示販売していますが、「普段、本当に作っているの?」と最近、よく聞かれる、と笑います。
きちんと作っていることを証明するために、この日は白いコーヒーカップを証拠の品として持ってきてくれました。
日頃は自身の作品作りに加えて、小学校や保育園、福祉施設への出張の陶芸教室や工房での陶芸体験などを行ったり、展覧会やイベントを実施したりしています。

 

陶芸との出会い
陶芸との出会いは東京にいた大学時代。
陶芸サークルで初めて陶芸を知りました。最初に陶芸をしたときは、「そんなに、はまらなかった」とのこと。その理由は、土を使って作る過程は普通のことに感じたからと続けます。
そんな森田さんが陶芸にはまったのが、自身で作った作品を焼いたときでした。
焼いたあとじゃないと出来が分からないことや、自分の思ったとおりにならない難しさがおもしろかった、と話してくれました。

 

陶芸のおもしろさを知る
最初に焼いたとき、土が溶岩のようにドロドロに溶けて大失敗。温度が高すぎたことが原因でした。失敗したことを落ち込むどころか、このときに、陶芸は「普通のものづくりと違う、おもしろい」と、感じます。
ですが、陶芸を一生行おう、という考えはなく、就職活動などもしながら大学生活を送っていました。
そんなとき、世捨て人の陶芸家に出会います。実はこの人が、後に森田さんの師匠になるのです。

 

 

訪れたターニングポイント
後の師匠は、電気やガスが無いようなところに住んでいて、遊びに行ったときに、「こんな風に暮らしている人がいるんだ!」と衝撃を受けたことを覚えているそう。そして、そこで森田さんは初めて窯を焚くことに。
その後、就職活動をしながら師匠のところへ遊びに行くようになりますが、その度に「こんな世界があるんだ、自分もやりたい。」と思うようになり、陶芸を教わることになったそう。森田さんにとって、この出来事がターニングポイントとなりました。
そして高知に帰ってきて、陶芸教室をメインとした工房を開きました。

 

今後、やりたいこと
数年経ち、手狭になってきたので場所を今ある土佐市の工房に移転。現在の工房は広いので、ギャラリーも始めることにしました。最初は自分の個展のみ開催していましたが、それだけでは面白くないので、色んなアーティストを呼んでやってみたい、と考えます。知り合いのアーティストに声をかけて展覧会を企画し、以後定期的に色々な展覧会を企画立案するように。今後は、展覧会をまとめてプロジェクト化したいと構想しているようです。
最後に「本来したいことなんですが、薪の窯で陶芸をしたいんです。実は山を借りて準備中です。」と教えてくれました。
発表が終わり、時間が余ったので、と最初に見せてくれたコーヒーカップの争奪戦がスタート。じゃんけん大会は大いに盛り上がりました。

 

 

4人目の登壇者は、
フリーランス 編集者(閃光舎)/ こうち食べる通信 副編集長のかずさ まりやさん。

<プロフィール>

1994年生まれ。高知県高知市出身。
高知工科大学マネジメント学部を卒業後、広島県の出版社へ就職。50本以上の雑誌やWEB媒体を製作したのち、高知県へUターンし25歳でフリーランスの編集者として活動を開始。「こうち食べる通信」の副編集長として高知県を拠点としながら、大阪・福岡・岐阜など県外では映画の公式本の製作にも携わっている。

 

高知が大好き!
「高知が大好き」と、はにかんだ笑顔が印象的なかずささん。大学時代に受けたある授業がきっかけで高知の地域課題を知り、危機感を覚えたと同時に、地域のことをもっと学びたい、と思うようになりました。
これまで、高知県内における起業家と協力者とのマッチングイベントの運営や、工科大学のフリーペーパーの制作、情報発信など、様々なことに取り組んできたそうです。これらの経験を通じて、広報の楽しさを知ったり、フォトショップでデザインをすることを教えてもらったり、出会えたことを感謝する出来事も数多くあったと話します。

 

県外に就職することを決意
インターンは、高知県内の出版社2社に受け入れてもらいました。そこでの経験で本を作る楽しさを知りましたが、そもそも高知県内には、編集の仕事を新卒で雇ってくれるところがありません。悩んでいたその頃、インターン先の方が「高知から出たら良いよ。」と言ってくれたことがきっかけになり、高知に帰る前提で、縁のあった広島の出版社に就職することに。
情報誌を作る仕事に携わりながら、「地方はどれだけ人を巻き込んで、関わってもらって、どれだけ応援してもらえるかが大切だ。」ということに気付きます。幸運なことに、この頃、地方創生ムービーを作るプロジェクトにサブの編集を担当させてもらうことになりました。

 

地方創生ムービーの仕事
地方創生ムービーは、人口減少や少子高齢化が進んでいる地域にクルーが寝泊まりをして、地域の人たちを巻き込んで撮影をします。この映画を作る過程に地方創生の要素があると、かずささんは話してくれました。
東京からの撮影クルーが地域に入り、地域の様々なことに気付き、住む人にとっては当たり前のことを撮影する。
映像に地域が出ていることもそうですが、撮影の過程を通じて、地域の人が元気になるのを感じたそうです。

 

 

自分自身を媒体に
色々なプロジェクトに関わってきた、かずささんでしたが2018年の12月に広島の出版社を退職。その理由は、「本だけで伝えることの難しさを感じたから」というものでした。同時に、これからは「自分自身が媒体にならないといけない」と強く思ったと話します。
2018年に起こった豪雨災害が、かずささんにこうした考えをもたらしました。そこには、映画の撮影現場だった蔵元が被害を受け、復興の手伝いをしに行ったことが影響しています。

 

自分のことを思い出してもらえるように
2時間かけて蔵元へ駆けつけた、かずささん。近い将来、高知県も南海トラフ巨大地震が起こる、と言われています。何か災害が起こったときに、広告塔ではないけれど、「高知は、かずささんが居たけど大丈夫かな?」と思い出してもらえるように、自分を伝えることを意識するようになりました。
県外に出て、高知に帰ってきたからこそ「高知はこんな色がある」、「こういうところがある」、と俯瞰できるようになったそうです。そして現在は自分を介して情報を伝えたい、という想いのもとInstagramを頑張っている、と笑顔で話してくれました。

 

 

【総括】
共にUターンしており、表現方法は異なりますが自身の手で様々なものを生み出している、という、こちらも共通点の多い森田さんと、かずささん。

それぞれ自分自身のやりたいことや、進みたい道を見つけて行動していく、お2人の活動に目が離せません。

 

 

100人カイギとは
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の”身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。

(レポート:上野 伊代)

 

 

問い合わせ
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Webサイト:http://startup-base.jp/