"KSB"(Kochi Startup BASE)のジャーナル

【Part 3】こうち100人カイギ vol.7 横田 佳歩(デザイナー、コミュニケーションプランナー)/山下 裕矢(ミュージシャン/ふんどし屋)

2019年1月よりKochi Startup BASEにて始まった「こうち100人カイギ」。今回は、2019年7月10日(水)に開催された、vol.7の様子をお送りします。

今回の登壇者は、デザイナー、アート、アーティストなど芸術の領域で活躍する方々。どなたも自分のできることを地域や周りに還元していきたい、という想いを持っているように感じました。会場内も時折、笑いが起こったり、共感して頷く瞬間があったり、それぞれの話に興味深く耳を傾けていました。
参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。

<こうち100人カイギ vol.7の登壇者>
竹花 綾 さん(Part 1掲載)
川鍋 達 さん (Part 1掲載)

森田 浩路 さん(Part 2掲載)
かずさ まりや さん (Part 2掲載)

横田 佳歩 さん (Part 3掲載)
山下 裕矢 さん (Part 3掲載)

5人目の登壇者は、
デザイナー、コミュニケーションプランナーの横田 佳歩(よこた かほ)さん。

<プロフィール>

1992年生まれ。高知県香南市出身。
大学でプロダクトデザインを専攻し地域デザインについて研究、2014年卒業後に上京。和菓子メーカーにて地方店舗マネジメントを担当し、複数の地方都市と東京を行き来する。その後都心での地方創生プロジェクトに参画。大きなやりがいと同時に違和感を覚え、「現場で一緒に考える」を軸に都心と地方の2拠点での活動を考え始める。デザインコンサル業を経て今年から東京と地元高知の2拠点で活動を開始。つくること、自然食、人と集まって何かを企てることが好き。

現在の気持ち
挨拶のあと、会場に向かって「どういう人が来ているか知りたい。」と、参加者に呼びかける横田さん。学生・会社員・自営業・その他、の所属に当てはまるものに、それぞれ手を挙げてもらいました。
自身が2回目の大学生であり、フリーランスとしても活動中のため、どんな人が100人カイギに来ているのか、気になったそうです。
高知を離れ、9年ぶりに県外から帰ってきたのですが、「ほぼ県外の人の気持ち」だと話します。

卒業後の仕事について
大学卒業後、デパ地下の和菓子メーカーに就職し、3年間、東京で地方店舗のマネジメントを担当しました。毎月、東北・中部・関東の店舗へ出張し、売り上げを上げるために企画提案などを行っていたのですが、体調を崩し、退職することになります。
その後、1年ほど、地方創生に関わる仕事に携わりました。オリンピックで使用する道路を使用したイベントの開催をしたり、自治体を呼んで、東京の虎ノ門から地方の発信をする事業を行ったりしました。

ブランディングの仕事に携わる
お店の企画や伝統工芸のワークショップ、飲食のメニュー開発、デザイン等、様々な経験をしましたが、事業が縮小するタイミングで退職し、縁のあった会社へ転職することに。この会社ではブランディングのみをする部署に所属し、大企業やベンチャー企業の社員が普段、思っていることを引き出して、方向性を合わせていくデザインコンサルタントのような仕事を行なったそうです。
また当時、兼業をしており元々、和歌山のIT企業が作った地域食材を取り扱う、東京のレストランのリブランディングにも関わっていました。

与えらえた環境で取り組む
売り上げが上がらない理由を考えたとき、いくつかの原因がありました。そのひとつが、メニューが読めないこと。
写真の上に黒字で書かれたA4サイズのメニュー表を見やすくするために、パワーポイントを使って作り直しました。文字を揃える、写真の位置を変えるなど、お金はないけどやれる範囲で取り組む中で、「学びの気づきがあった。」と話してくれました。
そして、これまで4社で働いたことがきっかけとなって、2019年4月に高知に戻り、現在は、月の半分は東京という2拠点で活動をしています。

地域を支えたい、という想い
横田さんは「地域を支えている人が内々に持っている、伝えているけど伝わり切れていないことをお手伝いしたい。もっとこうしたらいいんじゃないか、と。地域を支えている人を支えたい」と語ります。
最後に今やっていることと、今後やっていきたいこととして、県が開催する講座や塾への参加の他、高知のアイスクリームメーカーのプロジェクト化の構想、土佐和紙を中心としたちぎり絵や本の自主発行、クリエイターを支える取り組み、イヤリングのブランドなどを紹介してくれました。

 

6人目の登壇者は、
ミュージシャン/ふんどし屋の山下 裕矢さん。

<プロフィール>
1980年高知県香南市出身。
10代から音楽に関わりはじめ、20代は会社勤めの傍で活動。35歳の時に独立すると同時に、10年ほど愛用しているふんどしの製作販売もスタート。以来、高知を拠点に県外、海外で音楽活動とふんどし販売を展開。

エンターテイナーらしい自己紹介
ミュージシャンでもあり、オリジナルブランドのふんどし屋さんでもある、山下さん。早速、ふんどし着用のマネキンを椅子の上に乗せ、クルクルと回転させて撮影会のような雰囲気に。
参加者からも笑いが起こり、会場が一気に盛り上がります。
特技は、楽器演奏、作詞作曲、手芸、裁縫、デザイン、木工、書類や議事録の作成。趣味は、仮説・憶測、旅行。苦手なものは、片づけと断捨離。と、一気に自己紹介してくれました。

音楽活動とふんどし屋
『Sandwich Parlour(サンドイッチパーラー)』という音楽ユニットのメンバーとして精力的にライブ活動などを行う他、ウクレレの弾き語りやアフリカンパーカッション、ギターの弾き語りレッスンなどを行っています。
その傍ら、ふんどしのブランド『harenchi』 を立ち上げ、イベントやオンラインショップで商品を販売。バリエーションは女性専用、男女兼用/こども用の3種類。なんと、お客さんの8割は女性というから驚きです。
ちなみに、100人カイギの登壇中も「今?はいてますよ。」と、ふんどしを着用していることをアピールしていました。

生演奏で会場を盛り上げる
今年の夏やることを2つ、お話ししてくれました。
ひとつは、よさこい祭りに出ること。いくつかのチームの曲を作っているそうですが、おきゃく屋というチームで出場します。
もうひとつは、趣味にもあった旅行。キューバを横断する、とのことでした。
ここで、山下さんのお話しは一旦、終了。
発表時間が10分あるので、余った時間でウクレレの演奏をしてくれることに。登壇者の森田さんのリクエストを受けて、Green Dayの『Basket Case』を披露。心地よい歌声が響き渡り、会場中がこぞって動画撮影していました。

ウクレレの良さとは
歌い終わったあと、ウクレレの良さについて紹介してくれました。
「ウクレレは小さいので、どこにでも持っていける。夏は、レジャーやバーベキュー、秋にも活躍するし、何よりまぎらない(邪魔にならない)。ちょっと弾けたら、ちょっとしたヒーローになれるんですよ。」とレッスンのことも忘れずに宣伝します。
その後、まだ少し時間が余っていたので、会場からのリクエストを受けてスピッツの『チェリー』を生演奏。会場からは自然と手拍子が起こり、温かな雰囲気となりました。

演奏動画
生演奏の様子。

 

【総括】
県外の会社で様々な経験をしてきて、高知の素材を活かす構想を持ち、地域を支えていきたいと活動している横田さん。
ご自身の得意なことを、色々な形で表現している山下さん。

お2人が行っていることは異なって見えます。ですが、高知だけに留まらず、これまで経験したことの気づきや、違いを取り入れた視点を持っている部分が共通しているように感じました。

100人カイギとは
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の”身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。

(レポート:上野 伊代)

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