「一歩踏み出し気づきを共有する」〜こうちマイプロジェクト道場#4

【こうちマイプロジェクト道場ー今日からわたしを歩んでみよう】
こうちマイプロジェクト道場は、一人ひとりの本当にやりたいことを対話とアクションを重ねながら進める学び合いの場です。
今回は、自分らしい生き方で全国各地で挑戦を続けているゲストを迎え、彼らのストーリーを共有しながら、参加者一人ひとりの想いを掘り起こしていきます。
第四回目のゲスト講師は菅本香菜(株式会社CAMPFIRE/旅するおむすび屋)。
菅本さんが、なぜ大手クラウドファンディング運営会社で勤めながら、旅するおむすび屋としての事業も行っているのか、どのような原体験を経て、今どんなことを考えて、どんなビジョンを描いているかといったことをお話しいただきました。
株式会社CAMPFIRE LOCAL・FOOD担当 / 旅するおむすび屋1991年生まれ、福岡県北九州市出身。熊本大学卒業後、不動産会社での営業を経て、食べものつき情報誌『くまもと食べる通信』の副編集長として活動。熊本震災後に上京し株式会社CAMPFIREに転職、LOCAL・FOOD担当として全国各地のクラウドファンディングプロジェクトをサポートしながら日本の魅力発信に努める。本業の傍ら2017年5月に、旅するおむすび屋『むすんでひらいて』プロジェクトを立ち上げた。メディア出演 : NHK「人生デザインU-29」など
拒食症だった私
福岡県北九州市で生まれ北九州で育った菅本さんは、4人兄弟の長女として生まれました。
子どものころは自分に全く自信を持てなかったという菅本さん。痩せ型でまわりに比べて背丈もあったので、スタイルがよいことをささやかな自信としていました。
あるとき、お父さんから「ちょっと足太くなった?」と言われたことをきっかけに、ささやかな自信がなくなってしまいます。その言葉をきっかけに、菅本さんは簡単なダイエットを始めました。それは、17時以降は食事をとらない、というもの。実際に試してみると、数字は裏切りません。体重はどんどん減って、体重が減ることが新しい自信になっていきました。
お父さんの些細な一言から始めたダイエット。裏切らない数字にどんどん自信がついてしまい、何かを食べて体重が増えてしまうことが怖くなってしまっていました。家族で食卓を囲んでご飯を食べても、体重が増えてしまうかもしれないのに食べてしまったという罪悪感。家族みんなで食べるために用意してくれたご飯を食べることができなくても罪悪感。当時のがりがりに痩せた写真を見せながら、菅本さんは淡々と語ってくれました。
中学時代は、半年ほど入院しましたが義務教育で院内学級に通えたため留年せずに済んでいました。しかし、高校は義務教育ではないので1年生のときにドクターストップがかかり、登校できない状態にまで陥ってしまっていました。
当時のことを振り返って、友だちの家に行くのがいやだったと語る菅本さん。ご飯を出してもらった時に食べられないことがつらいから。でも、2回目の高校2年生の時の友だちとの出会いが、菅本さんを変えました。そのお友だちは、菅本さんが食べられなくても、全く気にせずに、一緒に食卓を囲むことを楽しんでくれたのです。
-一緒に食べられない私との食卓を、彼女は楽しんでくれた
-彼女と囲んだ食卓を、食べられない私も楽しめた
-食べられないより食べる食卓の方が、私も彼女ももっと楽しめるかも
この経験から、菅本さんはだんだんと食べられるようになっていきました。高校を卒業して、大学生になって2か月後、菅本さんは6年間全く治らなかった拒食症を克服しました。
“どうせ無理”をなくすためのチャレンジ
大学生の時、菅本さんは、2011年の東日本大震災を経験、衝撃を受け、震災復興支援のインターンに参加しました。インターンを通して何でも話せる仲間ができた、と語る菅本さん。自分からは進んで言いにくい、自分の拒食症のことも話せました。
「拒食症だった経験があるからこそできることがあるんじゃない?」
インターンの仲間の言葉から、自分自身の拒食症と向き合ってみて、菅本さんは自身が大切にしたい3つのことに気が付きました。
-どうせ無理、が世界を狭めてしまうこと
-同じご飯を食べながら囲む食卓が幸せであること
-食べるものが体を作っているということ
このような気づきがあったころ、菅本さんのまわりでは就職活動が始まり、「どうせ無理」が蔓延し始めました。そんな現状を打破したくて、菅本さんは考えます。子どものころ、誰しもが一度は夢見たことがあるような、そんな何かを実現できたら、「どうせ無理」なんてないことを証明できるのではないか・・・。仲間と相談して、たどり着いたのが、「風船で空を飛ぶこと」でした。
この突拍子もないようなことが、学生100人、参加費1人1万円の学生キャンプの出し物として、実現します。参加したみんなで号泣してしまうくらい、感動の出来事でした。
もちろん、菅本さんだけの力ではありません。理系の学生が人が空を飛ぶために必要となる浮力を生み出すために必要なヘリウムガスの量を算出、風船がいくつあれば人1人が空を飛ぶことができるのかを、理論値を計算してくれました。それらの資材を用意するために必要な見積もりを取ってみると、それだけで80万円かかることが分かりました。イベントの予算は100人×1万円の総額100万円。キャンプのための資材や食料なども必要となる中で、予算が圧倒的に足りません。
-「どうせ無理」をなくすために考えたのに、ここで諦めるわけにはいかない
菅本さんたちは、企画書を作成して、熊本の大人たちに自分たちの想いを語ってお金を出してくれるようにお願いしてまわりました。共感してお金を出してくれる企業もあれば、「お金では出せないけど、、、」といって養豚屋さんが豚を半頭提供してくれたり、養鶏屋さんが卵100個提供してくれたり、共感の輪が広がっていき、それぞれの方法で協力してくださる方々もでてきました。
この経験が、いまでも生きていると語る菅本さん。「それってクラウドファンディングだよね」と株式会社CAMPFIRE代表の家入さんが教えてくれました。この時初めて、クラウドファンディングという言葉を知った菅本さんは、自分の経験を活かせると思い、入社することになりました。
大好きなおむすびから自分でもチャレンジ!
株式会社CAMPFIREで働き始めた菅本さんは、FOOD/LOCAL担当として、全国を飛び回って仕事をしていました。他人のプロジェクトとチャレンジを応援していく中で、自分でもプロジェクトにチャレンジしたいという気持ちがだんだんと強くなっていきました。
そんな時、新潟でさくらちゃんと出会います。ご飯が好きな二人はすぐに意気投合。旅するおむすび屋さんを始めることになりました。「おにぎり」ではなく「おむすび」という言葉にこだわりがある菅本さん。おむすびを通してご縁を結んでいきたいと考えています。このプロジェクトで、クラウドファンディングに調整し、目標金額50万円のところ、倍となる100万円のお金が集まりました。
ちょっとした出会いから、やりたいことを見つけることができました。やり始めてみたら、小さなナリワイになりました。ナリワイを続けていったら、だんだんと引き合いをもらうようになって、副業になりました。副業を展開していくことで、メディアにも掲載されるようになり、講演の依頼をもらうようになり、プロジェクトでの協業を持ち掛けていただくようになり、人を紹介してもらうようになり、、、思いもよらなかった展開が次から次への起こり始めました。
おむすびを真ん中に、いろんな人のいろんな想いに触れて、様々な企画との掛け算があちこちで生まれています。
CAMPFIREの仕事も旅するおむすび屋の仕事も、どちらも共通しているのは、「誰かの世界を少し広げられたら」という想いがあること。
-いま、自分の目の前にいるお客さんの1人は苦しんでいたころの自分自身かもしれない
-かつての自分に対して「生きていてくれてありがとう」って伝えたい
-自分自身のつらかった過去があるからこそ今の自分がある
-人生で何一つ無駄なことはない
-その経験があったから「だからできる」を探してみて
菅本さんの経験からくる、芯の強さを感じさせるメッセージとなりました。
感想・気づき・質問のシェア
キーノート終了後、参加者から「まわりからの協力を得る秘訣は?」「やりたいことを実現するための壁にあたったときは?」といった質問がなされました。「笑顔でいること」「ノリでやってしまう、1回できる経験をするとあとは不安はなくなる、何を言われてもそれでもやってみることが大切」と菅本さんは回答してくださりました。
マイプロジェクト共有ワーク
休憩を挟み、難波 佳希氏(難波ファシリテーション事務所)によるファシリテーションで、参加者同士のマイプロジェクト共有ワークです。
今日得て帰りたいゴールを各参加者が設定しての、プロアクションカフェという方式でマイプロジェクトのプロジェクト編の共有を行いました。
3つのテーブルに分かれ、各参加者がテーブルのホストにつき、そこに他のメンバーが参加してホストのプロジェクトをブラッシュアップするためのフィードバックや対話を重ねました。
チェックアウト
マイプロジェクト共有ワークが終了した後、参加者一人ひとりが今日の感想や気づきをシェアし合うチェックアウトを行いました。
菅本さんんの話から得られた教訓や学び、マイプロジェクトシェアにより得られた気づきや自分に対する問いなど、様々なコメントがあげられました。
総括
菅本さんは、学生だった時に「どうせ無理」をなくしたい、という想いのもと、プロジェクトを立ち上げて、成功させたり、同じご飯を食べながら食卓を囲む幸せを共有したいという想いから、事業を起こされたり、まさに、マイプロジェクト的な発想で自身と向き合うことでプロジェクトを形にしてきている、フロントランナーでした。菅本さんの想いと実践の一つ一つが、参加者にとって学びとなって、自分の想い、そしてプロジェクトを形にしていくための糧となったようでした。そのうえで、プロジェクトについて、語り合うことで、想いとプロジェクトの関係を整理していく機会にもなりました。
(レポート:石原 光訓)
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