"KSB"(Kochi Startup BASE)のレポート

「自分の想いを見つめ、マイプロジェクトを描く」~こうちマイプロジェクト道場第2期 #1

こうちマイプロジェクト道場は、一人ひとりの本当にやりたいことを対話とアクションを重ねながら進める学び合いの場です。

マイプロジェクト(マイプロ)とは、「わたし」が感じている些細な問題意識や違和感、疑問に素直に耳を傾け、その「何か」を「プロジェクト(Project)」の形にして、「やってみる」ことから始まる、自分と仲間、世の中の変化を仲間同士で面白がり支え合う取り組みです。周りの目や評価を気にしないで、「自分の好き・やりたい」という想いに正直に向き合い、一歩踏み出すことを仲間と共に目指すことがこの講座の目的となります。

第2期では、自分らしい生き方で全国各地で挑戦を続けているゲストを迎え、彼らのストーリーを共有しながら、参加者一人ひとりの想いを掘り起こしていきます。

 

第1回目は篠田善典さん(TOMARIGI HOSTEL代表)。

『自分の想いを見つめ、マイプロジェクトを描く』と題して、起業するまでの経緯や、現在のチャレンジ、そして、志についてお話いただきました。

篠田 善典(TOMARIGI HOSTEL代表)

<プロフィール>
1987年高知県生まれ。関西大学文学部地理・地域環境学科卒業。大学時代に47都道府県を旅で訪れる。製薬会社に勤務後、東南アジアを中心にバックパッカーを経験。帰国後、栃木県那須町で支配人としてペンション運営に携わる。その後、楽天株式会社にて宿泊施設様へのコンサル業務、ゲストハウスの開業支援等を経て、2018年3月に高知の菜園場商店街でTOMARIGI HOSTELを開業。県外のみならず海外からのお客様を受け入れる傍、イベントを半年間で約70回開催。「“発見”を生み“変化”を楽しめる」ような新しい形態の「宿」「場」「空間」づくりに取り組んでいる。

 

 

高校時代―初めての彼女が自分を変えた

大学卒業後、製薬会社→旅人→ペンション支配人→楽天と、様々な経歴を経てこられた篠田さん。一体、どんな場面で何を感じて、高知でのゲストハウス開業まで至ったのでしょうか。

篠田さんは、自分に大きな影響を与えたものが人生で大きく3つあるといいます。

一つ目は、高校生の時に初めてできた『彼女』の存在。中学時代は学年で下から5番目の、いわゆる「落第組」だったという篠田さんに対して、彼女は学年2位の秀才でした。彼女の勉強に対するストイックさは物凄く、テストの2週間前から連絡を取ることを禁止されるほど。しかし負けず嫌いの篠田さんは、そんな彼女に何か1教科でも勝ってやろうと猛勉強。結局彼女に勝てたことはありませんでしたが、気づけば学年順位は300位から50位まで跳ね上がっていました。

「人によって、自分も変わる」。そんな実感を与えてくれた出来事でした。

 

大学時代―甲子園バイトとひとり旅

その後、篠田さんは「面白くない」高知を抜け出して関西大学に進学し、初めての都会での生活を謳歌します。サークル活動やスノーボード、ボウリングなどを楽しみつつ、アルバイトにものめり込んでいきました。

中でも篠田さんが熱中していたのが『甲子園でのアルバイト』。これは、人生に大きな影響を与えた、二つ目でした。150人という人数規模の大きな職場の中で、実力があればどんどん昇進していけるスピード感。大手企業よりもベンチャーに近いその感覚が楽しくて仕方なかったそうです。

また、時を同じくしてのめり込んだのが、『旅』でした。大学2年時、壱岐島での1週間の実習の後、そのまま九州一周のひとり旅に出る中で、旅や観光、そして今のゲストハウスにもつながる、宿についての関心を深めていきました。

そうこうしているうちに、就活の時期となった大学3年生。当初目標としていた教師という道や、社員レベルまで実力をつけた甲子園での就職という道がありつつも、安定を求めて外資系の製薬会社に就職することを決めます。

大学4年、社会人になる前の最後のタイミングで、篠田さんは鹿児島から沖縄へ、離島を巡っていく旅に出ます。これが後から振り返ると「運命のひとり旅」となりました。道中では、先生から浮浪者まで様々な人と出会い、それらの出会いをもたらしてくれた宿との出会いは、篠田さんの人生に大きな影響を与えました。

いろいろな生き方に触れる中で、「自分は違う道を選んだのだろうか…?」という、かすかな違和感を覚えつつも、旅を終えた篠田さんはサラリーマンとしての生活へと進んでいきました。

 

 

サラリーマンとしての日々

人生の選択にわずかな気持ちの揺らぎはあったものの、製薬会社での営業の仕事は楽しく、新卒の中でも特に優秀な営業成績を叩き出した篠田さん。仕事のできる上司たちに鍛えられ、社会人としてのマナーも学んでいきました。

しかし、しばらくやっていくうちに、やはりまた違和感を覚え始めた篠田さん。仕事の後は接待や付き合いの兼ね合いも多く、毎日飲みに行く時期もありました。また、甲子園でのアルバイトの時と違い、すぐ出世できるわけではないスピード感の鈍さも肌に合わず、薬を売っている理由も分からなくなってきました。

「これは自分のやりたいことじゃない」。そう気づいた篠田さんは、退職を決意。

次なる道として選んだのは、再び旅人になることでした。

 

旅、宿、高知。そして“とまり木”へ

半年間、海外を旅することにした篠田さん。ごく普通に銃声のするような地域に行くこともあり、カルチャーの違いとともに生きている喜びをひしひしと感じたといいます。

旅や宿にますます魅力を感じた篠田さんは帰国後、栃木県那須で、ペンションの雇われオーナーとして働き始めます。たくさんの人と出会い交流することが楽しく、やりたいことをやれる喜びがある一方で、50連勤という激務を経験し、宿の経営というもののいい面と悪い面とを見ることになりました。

やりたかった宿の運営はできた、でも那須という場所にはどうしても一歩踏み込めない…。そう感じた時、「高知に帰ろう」と決意。楽天トラベルで仕事をしつつ、高知の人との関係性を築いていきました。動けば動くほど、いろいろな特技を持った知り合いができていったという篠田さん。その集大成としてオープンしたのが、「とまり木」でした。

 

“発見”を生み“変化”を楽しむ宿

とまり木をオープンしてから、「やりたいことはやる!」とひたすらチャレンジを続けている篠田さん。今までに60~70ものイベントを開催し、やりたいことを実現できる場を提供したり、とまり木の立地する菜園場商店街を「面白がる」ために、菜園場で手に入れた食材でホットサンドを作ったり…。今も2号店の出店や新しいビジネスの構想があるとのこと。多忙すぎて体調を崩した時期もあったそうですが、とまり木を始めてから本当にいろいろな人に出会い、とても楽しいといいます。

高校時代、「高知には面白いものが何もない」と出ていった篠田さんですが、今では逆に「高知だからこそ、面白い人にすぐ繋がれる。高知は面白い!」と感じているそう。そんな場所で、たくさんの人がつながって、発見を生んだり変化を楽しんだり―。

とまり木をベースに、篠田さんの楽しい挑戦は続いていきます。

 

ライフヒストリーや気づきのシェア

次に参加者全員で、自身のライフヒストリーや、篠田さんのお話を通して得られた気づきを共有する対話ワークを行いました。

参加者それぞれが今までの人生をグラフに書き起こし、自分がどんな人生を歩んできて、そこでどんな気づきや教訓を得たのか、紹介し合いました。今回は、8人全員でライフヒストリーを共有したため、参加者同士の発表者に対する驚きや共感の声が活発に行き交い、にぎやかなシェアの時間となりました。

 

 

チェックアウト

最後は、チェックアウトと題して、一人ひとり今日の感想を話しました。

参加者からは、篠田さんの生き生きとした姿を見習ってマイプロジェクトを頑張っていきたいという声や、ほかの参加者のライフヒストリーが非常に面白くワクワクしたという声が上がっていました。

総括

人生のいろいろな出来事やそこで感じたことを振り返り、そこから次に進むべき方向を見つけて、やりたいこと、面白いことの実現に向けた挑戦を続ける篠田さん。誰よりも楽しげなプロジェクトの実践者で、こうちマイプロジェクト道場第2期の最初を飾るのにふさわしい方だったように感じます。

本講座もいよいよ第2期に突入し、参加者も心機一転、これから頑張っていこうと意気込んでいる印象でした。今後の一人一人の成長が非常に楽しみな今回の講座でした。

 

(レポート:陶山智美)

 

主催:Kochi Startup BASE設立準備室

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