"KSB"(Kochi Startup BASE)のレポート

こうちアントレプレナーナイト 連続セミナー#4
~問いと学びをデザインし、環境を整える~

こうちアントレプレナーナイト 連続セミナー#4『問いと学びをデザインし、環境を整える』をテーマに、瀬戸さんにお話していただきました。

2019年10月3日、「こうちアントレプレナーナイト#4」がKochi Startup BASE®︎(以下KSB)にて開催されました。このイベントは、高知県内で活躍する先輩起業家を招き、起業までの道のりや苦労話、起業するにあたっての心得など、実体験をもとに紹介してもらう、対話形式のセミナーとして実施しました。

<ゲスト講師>瀬戸昌宣さん(特定非営利活動法人 SOMA 代表理事)

1980年東京生まれ。農学博士(農業昆虫学)。大学時代の米国留学を経て、米国コーネル大学にて博士号を取得。コーネル大学ニューヨーク州立農業試験場で研究と教育に従事。2016年から高知県土佐町役場に勤務し、町・県の学校教育・社会教育に参画。退職後、2017年5月にNPO法人SOMAを設立。
自由自在な学びをデザインできる環境として「あこ」を開設。また、学びの環境デザイナー(Learning Environment Designer)として、保・小・中・高等学校教育・社会教育の企画・実施、野山を学びのきっかけとする杣の学び舎を設立・運営。
高知県の起業支援事業 Kochi Startup Parkのサブコーディネーターとしてアントレプレナーシップ教育にも取り組む。

チェックイン
まずは参加者の方々の自己紹介からスタート。今回は11名の参加者にお越しいただき、お名前とセミナーに参加した理由、好きな秋の食べ物を発表してもらいました。

元々、瀬戸さんのことを知っている方や、一緒に何かを行ったことがある方も参加されていましたが、「瀬戸さんがセミナーなどで話をしているのを聞いたことがない」という意外な声も聞かれました。いずれにしても、瀬戸さんのお話を聞くことを楽しみにしている様子が伝わってきました。

瀬戸さんの講演『問いと学びをデザインし、環境を整える』
その後、瀬戸さんの講演がスタート。まずは瀬戸さんの自己紹介から始まり、現在に至るまでの経緯をお話しいただきました。内容の主軸は「ひとが育つ環境をととのえる」こと。

元々はアメリカに居た瀬戸さんが移住したきっかけは、土佐町で教育人材育成を仕掛けた澤田さんとの出会いでした。当初は、地域おこし協力隊として学校の教育支援をしていましたが、2017年に事業の骨格がある程度できた段階で退職し、独立。

その後、学校外での学びを保障する環境を整えたり、拠点である『あこ』を通じた交流や学び、異質との出会いの場を作ったり、テクノロジーを利用した遠隔授業を行ったり、と様々な取り組みを行っています。

瀬戸さんのこうした取り組みの背景には、人口4,000人の土佐町で暮らす子どもたちへの想いがありました。土佐町のような小さな町では町の人皆が知り合いで、自分の世界観の外側に出ることがとてつもなく難しいこと、親がいない状態で自分の親と同じ世代くらいの大人と会うことが難しいこと、保小中高の教育施設がひとつしかないため、スクールカーストが変えられないことなど、地域の辛さはたくさんあります。そんななか暮らす子どもたちにとって、家族や家から解放されている状態で色んな出会いが起こる「異質との出会い」が重要だと考えているからです。

学校での授業の話、教え子たちの話、経済の話、色々な話を聞かせてくれた後、教育はコンテンツやシステムではなく、子どもの目を見てちゃんと繋がる、関わること。個人の持つ才能や資質を外に導いてくれる人、自分を引きずりだしてくれる人と関われるかが大事だ、と話してくれました。

その他、教育人材育成の課題を解消するために新しく始めた事業についてなど、様々な角度から人を育てる環境について、考えさせられる話題を提供していただきました。

対話の時間
瀬戸さんのお話が終わった後は、テーブルを囲んで、質問や気になったことなどを聞く対話の時間を実施しました。

これまでのアントレプレナーナイトでは、参加者が順番に話す形式でしたが、今回は話題に対して自由に意見や想いを述べる形式を初めて行いました。
参加者が発した内容に、自分の経験や想い、過去の出来事をお話される方も複数いて、全体的な対話が生まれる空間となりました。

チェックアウト
チェックアウトでは、瀬戸さんのお話を聞いてどうだったか、一人ずつ感想を発表してもらいました。
「子どもの選択肢が少ないのは良くないこと」、「今ある、学校というシステムを変えることが出来ないのだろうか、もどかしさを感じる」といった感想が聞かれました。

※総括
今回は前回に引き続き、地域での教育という話題でしたが、参加者も異なり瀬戸さんのお知り合いの方も多かったことから和やかな雰囲気で進みました。瀬戸さんのお話の中には心に留めておきたいような言葉や考え方が多くあり、運営側も聞き入ってしまうほど。
セミナーが終わったあとも話が尽きることなく、参加者同士で話し込む姿や、瀬戸さんを交えて楽しそうにお話をする参加者の姿がとても印象的でした。

(レポート:上野 伊代)

問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒780-0084 高知県高知市南御座90-1 高知蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

イベント詳細

こうちアントレプレナーナイトとは?
『こうちアントレプレナーナイト』は、高知県内で活躍する先輩起業家を招き、起業までの道のりや苦労話、起業するにあたっての心得など、実体験をもとに紹介してもらう、対話形式のセミナーです。

参加者が考えているアイデアがある場合は発表をし、ゲストと参加者が一緒に、そのアイデアを磨き上げる参加型のプログラムです。

#4『問いと学びをデザインし、環境を整える』
こうちアントレプレナーナイト、第4回目となるセミナーでは、NPO法人 SOMAの代表理事・瀬戸昌宣さんをゲスト講師にお迎えします。

2016年に土佐町に移住後、学びに軸を置き、未来を担う子どもたちの教育について、様々なプログラムの企画運営などを行っています。

その背景には、自分自身で学びをデザインする『テーラーメソッド・エデュケーション』の力が必要だと考えている、瀬戸さんの想いがありました。

今回のセミナーでは、瀬戸さんの教育を通じた地域再生への想いを聞かせていただきます。

※本講座は、2019年度「創業支援事業者補助金」を活用して開催されます。

レポート
2019.10.03(木)
19:00-21:00
こうちアントレプレナーナイト #4
~問いと学びをデザインし、環境を整える

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