"KSB"(Kochi Startup BASE)のレポート

こうち100人カイギ vol.1

まちで働く100人をきっかけに、まちの在り方や価値の再発見を目的に、ゆるく人を繋げる「100人カイギ」
渋谷区を中心に開催されていた、このイベントが「こうち100人カイギ」として、ついにKochi Startup BASEに上陸しました。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、ゲストの合計が100人になったら会を解散するということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。
第1回となる今回は、開催場所である、高知蔦屋書店に関わるゲストを5人お呼びして、働き方やその思いについて語っていただきました。

オープニング・アイスブレイク

オープニングでは、会場のKochi Startup BASEや、100人カイギの趣旨、今日のタイムテーブルなどについて紹介、そして4,5人でグループになり、自己紹介を目的にアイスブレイクを行いました。
ゲスト紹介のあとは、いよいよゲストトークが始まります。

Don’t Worry. Be happy. ―門田年弘さん

トップバッターを務めてくださったのは、高知蔦屋書店館長の門田年弘さん。

門田 年弘 (高知蔦屋書店 館長)
高知市出身。学校を卒業後、株式会社ウイルに入社。TSUTAYAの現場からたたき上げ、レンタル、書籍・CD・DVDなどを取り扱う本社商品部マネージャーを経て、高知蔦屋書店のプロジェクトに参画。オープン後、館長を務める。

人が集まる場所にすることで、街を変えたい。そんな大きな思いを掲げて高知蔦屋書店は立ち上がりました。そのためにはどうすべきか、そう考えた時、「自身がそこに浸ること」が大切だと門田さんは気づきます。
館長だからと言って椅子の上でふんぞり返っているのではなく、なるべく多くの時間をお客様と共に蔦屋書店で過ごすことで、仕事を客観視すること。周りを信頼し、頭を下げて笑顔でいること、それらが仕事としても人としても大切なことだと感じたそうです。
門田さんの好きな言葉は「Don’t Worry. Be happy」
くよくよするなよ、という直訳とは反対に、門田さんは「くよくよしよう」と捉えていると話します。
熱意があり、一生懸命やるからこそ、くよくよしたり、悔しい気持ちになったりする。だからこそ、その先には応援してくれる人がいて、良いことがある。
この言葉を胸に、門田さんはこれからも街を変える本屋を目指していきます。

 

働きながら健康になれる仕組みづくり―橋本貴紘
次に話してくださったのは、橋本貴紘さん。

橋本貴紘 (Workth代表/理学療法士)
1988年高知県生まれ。急性期病院、訪問看護ステーション、デイサービス、介護予防事業を経験。その中で、地域には腰痛や肩こりといった、病院に行くほどでもない体調不良を抱えたまま仕事をしている方が多く、さらに自分の体調不良に対し、「時間もお金も、相談する相手もいない」という課題を抱えている事に気づく。これらの課題を解決するために、「平成29年度 高知家ビジネスプランコンテスト」に出場し、最優秀賞を受賞する。現在は、高知県内を拠点とし、理学療法士が企業に直接訪問し、働く人たちの体調不良を解決する「Workth」という事業を展開している。

いわゆる「起業家」である橋本さんですが、起業しようとした最初のきっかけは、勤務年数に対して上がらない給料をみて「何故?」と感じたからだと話します。
しかし、職場環境も変わり、訪問リハビリと言う仕事をしながら、何度も何度も企画を練り直したり、実際に事業を起こしてから現在の形に変化させたりしていくなかで、「理学療法士の価値をもっと社会に活かす事業をしたい」と理由が変わっていきました。
現在は、働く人の健康をつくるという社会貢献をして、それに見合った報酬をきちんともらえる。そうすることで、理学療法士の働けるフィールドを広げることができる。そんな最高の状態を目指しています。
やりたいと思ったことをずっとやり続ける必要はない。まずは、一歩踏み出してみることで見える世界が変わる。と起業をしたことで自分自身のやりたいことに向き会えた経験を話し、参加者の皆さんにエールを送ってくださいました。

 

私を変えたお茶の魅力―松崎亜紀子

松崎亜紀子
(CHA CAFÉ ASUNARO スタッフ/日本茶アドバイザー/日本紅茶協会認定ティーインストラクター)
結婚後、主人の転勤先である長崎出島にて本物の紅茶を知ったのがきっかけとなり、3人の子育てをしながら、アンテナショップに勤務し、ほうじ茶の試飲PR販売などを行う。また、高知県産の土佐茶に魅了され、茶摘みウォークに参加し、生産者の思いと厳しい現実を肌で感じ、生産が続けられるお手伝いがしたいと強く感じる。2018年4月より、日本紅茶協会ティーインストラクター養成研究生として週に一度東京に通学。12月からは高知蔦屋書店CHA CAFÉ ASUNAROに勤務。土佐の風土で育った味わい深い良質の和紅茶の魅力を県内外に発信する。

前半最後に話してくださったのは、松崎亜紀子さん。
松崎さんにとって紅茶は自分を励まし、輝かせてくれる大切な存在です。
幼いころから生活の中に紅茶が身近にあったことや、本物の紅茶に出会ったことなど、松崎さんが紅茶を愛する理由はたくさんありますが、高知県に来て、土佐茶や生産者の見える和紅茶に魅了されたことは大きな転機になりました。
素晴らしいお茶の産地である高知の人に紅茶の文化をもっと知ってもらいたい、その役割ができるのは私しかいない!そう強く思うように。
「もっと紅茶の良さを伝えて、幸せな気持ちになってほしい。」
そんな一心で、ティーインストラクターの資格取得のため毎週夜行バスで東京に通い、その一方で、高知ではKochiStartupBASEに参加することで、想いを共有できる仲間に出会いました。
そして念願のティーインストラクターになった今、松崎さんのチャレンジはまだまだ続いていきます。

 

日本各地を移動する生きかた借り暮らしの1395日間。―佐藤翔平
休憩をはさんで、最初に話してくれたのは、佐藤翔平さん。

佐藤翔平 (日本微住計画 BLOG主宰/TOMARIGI HOSTELスタッフ)
1986年、神奈川県横浜市生まれ。 3年間勤めていた東京のイベント施工会社を辞め、2014年より家のない移動生活を開始。旅をコンテンツに、MOVERSJAPANというWebメディアの運営や、日本各地を一年間回遊するキャラバンプロジェクトなどを主にしてきました。   現在は、高知市内でゲストハウスのスタッフをしながら、ブログやSNSでの情報発信にも力を入れています。

 

佐藤さんは、移動しながら借りぐらしをしてきた5年間を、フットワーク&ネットワークで流されるように生きた5年間だったと振り返ります。
移動し、発信し続けることで様々な人とつながりが増え、移動する借りぐらし生活という「手段」は同じでも、こだわりを持ちすぎず、「出会ったもの」ベースでやりたいことや面白いことといった「目的」を変えていく、まさに流れるように生きたことによってたくさんの出会いや、気づきが得られました。
『誰と、何処で、何のために生きるのか。』そんな問いを持ちながら、佐藤さんは今後も様々な活動をしていきます。

 

色々やり散らかしてしまった僕がやりたい「たった一つ」のこと―近藤瀬文

 

近藤瀬文 (Kochi Startup BASE スタッフ)
エイチタス株式会社ディレクター、KOCHI STARTUP PARKコーディネーター。
土佐町出身・在住。工業専門学校を中退後、地元の社会福祉協議会に就職。若くして結婚した自分の経験を基にマイプロジェクトに取り組む傍ら、四万十イノベーター講座のメンター、KOCHI STARTUP PARKコーディネーターなども務める。マイプロを基にしたプロジェクトへの参加経験が豊富。

若くして父親になった、という自身の立場を活かし、アプリの開発などを行っていた近藤さん。しかし、二つの案を考えついたもののどちらもプロトタイプから進むことができず。原因は様々ですが、一番は自分が心から「やりたい」と思えていなかったからだと、振り返ります。
そんな近藤さんにこの夏、家族解散の危機が訪れていたそう。無事、解散は逃れたものの、「想い」を伝える、というシンプルなことがいかに難しいかをこの夏の出来事で実感します。
その経験から、他の誰でもない、自分が一番欲しい、自分自身が熱狂できるサービスを作ろうと決意し、
「大切な人にちゃんと伝わる愛を届けたい」
という「たった一つ」のやりたいことをみつけ、実現するための新しいサービスを今、制作しています。

 

ネットワーキング

ネットワーキングの時間では、ゲストを中心に参加者の皆さんが集まり、それぞれ自分の興味関心を共有したり、ゲストトークの時間に気になったことを質問したりしていました。笑い声が聞こえるところもあれば、深く話しこんでいるところもあり、「ゲスト」「参加者」「スタッフ」という垣根を超えて新しい交流が生まれていました。

 

総括
KSB史上最大の参加者人数を記録した100人カイギvol.1。
高知というフィールドの中でも、特に蔦屋書店に関わる5人のゲストを迎えてスタートでしました。5人とも職種も違えば、想いも異なっていましたが、だからこそ、それぞれの大切にしていることや仕事に対する考え方が伝わってきたのではないでしょうか。
またネットワーキングでは、ゲスト、参加者、スタッフという垣根を超えて、これまで出会うことの無かった人々が出会い、新しいつながりが生まれた空間になったと思います。

(レポート:檜山諒 )

 

問い合わせ
Kochi Startup BASE
住所:〒780-0084 高知県高知市南御座6-10 高知蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

 

 

 

 

 

 

 

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