"KSB"(Kochi Startup BASE)のレポート

イベントのプロモーションと集客方法を語る会vol.2
テーマ:伝え方を考える

2019年7月11日、「イベントプロモーションと集客方法を語る会」がKochi Startup BASE®️(以下KSB)にて開催されました。
当イベントは今回で2回目。

「イベントプロモーションと集客方法を語る会」は、イベントの企画担当者や、施設の運営者など様々な立場の人たちが、それぞれの工夫や悩みを持ち寄り共有し、情報交換をする場です。

 

自己紹介

初めに、KSBスタッフの上野から今回のイベント概要等について説明をした後、共催の吉田さんがファシリテーターとなり、会がスタート。

参加者はスタッフ、ゲストスピーカー含めて15名。
それぞれ、お名前と職種、イベントに参加された理由などを順番に発表しました。

今回は音楽ライブや映画上映会の主催者、施設の運営者、地域おこし協力隊や大学生、学校の先生、福祉関係の方など、様々な職種の方が参加してくれました。

 

坂野さんのお話し

今回は、アコーディオン奏者の坂野 志麻さんが、特別ゲストとして参加してくれました。
吉田さん曰く、とても変わった方法で集客を行っているとのこと。
参加者の中にも「坂野さんのお話を聞きたくて参加した。」という方もいました。

坂野さんのアコーディオン歴は10年ほど。アコーディオンを始めて1年位のときに、東京からUターンしました。

その頃は演奏場所もなかったため、夜の帯屋町アーケードでアコーディオンを弾き、路上ミュージシャンと知り合いになったり、お店に行ったときに演奏をしたり、と徐々に活動の幅を広げていきます。

「持ち運びができる楽器だからこそ、どこでも演奏できるのがアコーディオンの良さなんです。」と坂野さん。

続けて「今もそうなんですが自分に自信がなくて、お金をもらって演奏させて!と言えないんです。」とお話しをされていました。

でもアコーディオンの魅力を知ってほしい、と思ったときに思いついたのが、県外のすごい演奏者を呼ぶこと。

元々、高知に帰ってきたときは、自分でイベント企画をすることは考えていませんでした。
自分も観たいと思っていた演奏者に連絡を取り、料金を聞いてチケットの値段等を設定。ですが、高知県内で知られていない人たちのチケットは売れません。
そのとき、坂野さんが取った行動は、誰も思いつかない面白いものでした。

それは、コンサートを行う演奏者の曲を勝手に耳コピして、とにかく弾きまくる、という作戦です。

そして、「とにかく来てもらいたい」ということを、沢山の人たちに伝えました。
その結果、コンサートのチケットは売れて、大盛況となったそうです。

年間、数々のコンサートを行っている坂野さんですら、集客に関する悩みは尽きないそうですが、「ファンになってくれる人を増やしていくしかない。」と話してくれました。

吉田さんからは、坂野さん独自の集客方法は人柄も関係している、とコメントがありました。お花見をしているところに坂野さんが突入してきて演奏したことが出会いのきっかけだった、という驚きのエピソードも。
この知らない人のところへスッと入っていける、というのが何よりも坂野さんの魅力だ、と教えてくれました。

 

参加者とのトーク

ジャンルの異なる参加者が集まった今回、後半に出た話題はどれも共感するものばかりでした。

例えば、「高知県は県民性なのか前売り券が売れず、当日になって売れるので集客の見通しが立たない」といった声や、「チラシはどのくらいの数を刷れば良いのか」、「SNSでの広報の仕方」など。

前回も前売り券問題は話題に挙がっていたのですが、坂野さんからは「“前売り”という言葉を変えて販売してみる」という意見も。

チラシを刷っても効果がなかった経験談をお話ししてくれた方や、QRコードを介して申し込みをする割合についての実体験を発表してくれた方、SNSでの発信の失敗談を教えてくれた方など、それぞれが試行錯誤しながら取り組んでいる様子が伝わってきました。

 

統括

今回も色々な職種の方々が集客に悩んでいることを強く感じる会となりました。
特に印象的だったのは、「一気に人が来る魔法のようなことは起こらない。積み重ねのみ。普段の付き合いの中で人間関係を作っていくこと」という、ある参加者の言葉でした。

SNSが発達し、情報を伝えるメディアの選択肢が広がっている今、誰にどんな風に伝えれば良いのか頭を抱えている方も少なくありません。
ですが、一番の基本的なことはお互いに顔が見えるかどうか。

当たり前のことですが、情報を伝えるのが便利になればなるほど、リアルな付き合いや人柄が選ばれる基準のひとつになることを改めて気づかされました。

(レポート:上野 伊代 )

 

 

問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒780-0084 高知県高知市南御座6-10 高知蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

 

 

イベント詳細

自身が開催するイベントや企画の集客に悩んでいませんか?

「良いイベントなのに人が来ない」
「プロモーションにいつも悩む」
「本当に来てほしい人に情報が届いていない」

そんな経験をしている人も多いはず。

第2回目となる今回のテーマは「伝え方を考える」
情報を届けるとき、皆はどんな風にやっているのか?
様々なイベントや企画を行う方々が実践している方法やちょっとした工夫などを共有します。

一人で悩んでいる方、ぜひ一緒に相談し合いましょう。

 

<共催>

舞台制作者 吉田剛治さん
■プロフィール
1973年高知市生まれ。
コンサートプロモーター、舞台技術者、須崎市立市民文化会館の事業担当としてキャリアを重ね、2001年より高知市文化振興事業団に所属。
高知市文化プラザかるぽーとの開館より、自主事業を中心に担当する。
現在は、劇場「蛸蔵」の運営や、市民による音楽企画団体の事務局などを勤める一方、演劇公演や映画上映会などのプロデュースも手がける。