"KSB"(Kochi Startup BASE)のレポート

事業創造アイデアソン2018 vol.2
テーマ:教育イノベーション

 

「事業創造アイデアソン」は地域内外の多様な主体によるアイデアソン(アイデア創出のためのワークショップ)を開催し、ビジネスアイデアの創出と仲間づくりを行うとともに、事業創造に必要となる基本的なメソッド(デザイン思考、リーンスタートアップなど)や考え方の定着を目指しています。今回は2日間にわたって行い、「教育イノベーション」をテーマに2人のゲストスピーカーをお招きして、お招きして、インプットとすることで、参加者間でアイデアに関するより深い対話やブラッシュアップを行っていきました。

 

2日目のゲストスピーカーは、株式会社FoundingBase共同代表取締役の佐々木喬志さんで、佐々木さんが日本全国各地で進めているFoundingBaseプログラムの事例などを交えながら、本アイデアソンのテーマである「教育イノベーション」についてお話しいただきました。

 

 

佐々木喬志 氏(株式会社株式会社FoundingBase共同代表取締役)

<プロフィール>
宮城県石巻市出身。

大手人材会社、人材系企業の起業を経て、2012年に地域に若者を送り込むFoundingBaseプログラムをスタート。2014年に法人化し、現在は13名の社員、40名以上のメンバーたちと共に6つの自治体と協働しながら魅力ある人づくりと地域づくりに取り組む。

高校の魅力化/自治体とのPFI・PPP事業のプロジェクト立上げなどにおけるコーディネーターとしての役割を担う。

 

 

キーノートスピーチ

全国各地で進められているFoundingBaseプログラムの事例を交えながら、多くのことを語っていただきました。お話しいただいた中で、強く仰っていたのが「個人の価値の最大化」を通した「コミュニティの価値の最大化」という言葉です。これはFoundingBaseの理念となる言葉でもあります。

 

 

佐々木さんは語ります。「単純にコミュニティに若者たちを送り込むのではなく、まずコミュニティに個人が入り、活動していく中で、自分を見つめなおす。そこから生まれる様々な気づきの上で、個人が変化し行動していくことが重要であり、その個人が行動しながら人を巻き込むことで、より多くの変化や行動が生まれ、個人の変化からコミュニティの変化へと波及していく。そして結果として社会全体がより良い方向へと変わっていく」。

こういった思いを受けて、若者たちは、各地で活動を展開しています。

 

スピーチ後の質問時間では一日目とはまた違った雰囲気で、時には裏話なども交えながら、多くの質問や会話が飛び交いました。

 

 

ブラッシュアップ

二日目のキーノートスピーチを終えた後は、一日目同様にエイチタスの原がファシリテーターを務め、一日目の最後に参加者各自が出したアイデアをもとに、ブラッシュアップしていきました。

 

 

そして、参加者各自が考えたアイデア一つに対して参加者全員でフィードバックを行うことで、自身のアイデアに対して多角的な視点を得るとともに、自分自身がそのアイデアを考え付くに至った想いなどに対してもより深い考察を行っていきました。参加者の中には自身のアイデアをブラッシュアップする際に、開催場所である蔦屋書店のフィールドを活用して、参考にしたいアイデアや知識の書かれた本を探しに書店中を歩き回ったりしている方もいて、自分が考えつきやすいように思い思いにアイデアのブラッシュアップを進めました。自身が普段向き合いづらい思いや、考えつつも外に出しづらいアイデアを互いにフィードバックしあい、一人だけでは導き出しにくい気づきを掘り起こすことが出来ました。

 

 

アイデアにブラッシュアップを行った後は、自身のアイデアを、MVPシートを活用しながら、より具体的に、実現性を持たせるように整理して、グループで共有を行いました。参加者の中には、当初、共有していたアイデアとは全然違ったものになっていた人もいて、長時間に渡り自分のアイデアと向き合いブラッシュアップを行うことで、参加者各自がより自身の実現したいアイデアを掘り下げて創り出していく様子がとても印象的でした。

 

 

チェックアウト

最後は、チェックアウトと題して、一人ひとり二日間を通した感想を話しました。

参加者のなかには、アイデアソンを通す中で、自身が抱いていた課題や問題点について見つめなおすことが出来たといった声を聴くことが出来ました。

 

 

総括

誰もが関係する教育の課題を共有することから始まった「教育イノベーション」をテーマにした二日間にわたるアイデアソンで、一日目と二日目共に非常に示唆に富んだキーノートスピーチから始まり、参加者は各々の思いやアイデアを参加者間のフィードバックなどを踏まえながらブラッシュアップを行っていき、共有の時間では自身にはなかった考えに出会い、感興を覚える声も上がっていました。

本アイデアソンで得られた気づきやアイデアをもとに、今後、新しい一歩を踏み出す人が増え、新しい仲間と出会い、新しいコミュニティが生まれていくといいなと思いました。Kochi Startup BASEが、何かを始めてみたい方たちの拠点となることや新しい潮流が生まれるプラットフォームとなれるよう、スタッフも努力していきます。

 

(レポート:伊藤恭生)

 

主催:Kochi Startup BASE

事務局:エイチタス株式会社 高知ブランチ

住所:〒780-0084 高知県高知市南御座90-1 高知蔦屋書店3F

Mail:ksb@htus.jp

Webサイト:http://startup-base.jp/

 

イベント詳細

12月15日~16日、事業創造を目指したアイデアソンを開催します。

第2回目となる今回のテーマは、「教育イノベーション」

AIやIoTなどが発展する中で私たちの暮らしの在り方は大きく変化しています。10年以内に、現在の仕事の多くがロボットに奪われるといったセンセーショナルな報告もあり、これからの社会をどう生き抜いていくのかは大きな課題といえます。

 

そうした中、その重要性がさらに認識されているのが教育の在り方です。これまでのように知識獲得を中心ととした講義中心の学びから、地域や企業などとの協働により実世界での体験や経験を学びにつなげていくことの重要性、そして、多様な仲間と一緒に考え、議論し、対話をしながら学びを進めるグループワークなど、学びの在り方自体が大きく変化しつつあります。

今回は、地域づくりではもちろん、新たな教育の在り方を実践する海士町の隠岐國学習センターの豊田庄吾氏、全国で地域と教育を軸に事業を展開するファウンディングベースの佐々木喬志氏をお招きし、これからの地域における教育をテーマにアイデアを考えます。

 

【事業創造アイデアソン とは】
事業創造アイデアソンは、アイデア創出や事業創造、ビジネスモデルの構築に向けた基本的な視点の獲得と短時間でアイデア創出体験を目的に実施される学びの場です。地域の課題解決を目指したアイデアがある方や具体的なアイデアはまだ無いけれど解決したい課題がある方など、どなたでも参加できます。今回は「教育イノベーション」をキーワードに、様々なアイデア創出技法、事業創造手法を体験できる場となっています。