"KSB"(Kochi Startup BASE)のレポート

こうち女性起業家応援プロジェクト 連続セミナー#2
~未来への希望を紡ぐ、人口160人の島とともに育つ私設図書館~

第2回目となる、こうち女性起業家応援プロジェクト 連続セミナー#2『未来への希望を紡ぐ、人口160人の島とともに育つ私設図書館』をテーマに、額賀さんにお話していただきました。

 

2019年9月5日、「高知女性起業家プロジェクト#2」がKochi Startup BASE®︎(以下KSB)にて開催されました。「こうち女性起業家応援プロジェクト」は、講師からの一方的な話題提供というスタイルではなく、参加者も自分の想いや考え、気づきを、対話を通じて共有していく参加型スタイルで進められました。

<ゲスト講師>
額賀順子さん(特定非営利活動法人 男木島図書館 理事長)

1974年福島県生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒。
卒業後、ウェブデザイナーとして大阪の制作会社に入社。
育児と仕事の両立に限界を感じ、フリーランスへ転向。
2014年、家族で大阪から夫の地元である香川県の男木島へ移住。
島に図書館を作るため、特定非営利活動法人 男木島図書館を設立した。

 

 

チェックイン

まずは参加者の方々の自己紹介から始まりました。今回は女性11名、男性2名の計13名の方々にお越しいただき、名前とセミナーに参加した理由、好きな秋の食べ物を発表してもらいました。

図書館で働いていた経験がある方や、男木島図書館に行ったことがある方、図書館が嫌いという方まで、個性豊かな参加者の面々。

最初は少し緊張気味の方もいましたが、自己紹介が進むにつれて自然と笑いが出たり、会話が生まれたり、場は穏やかな雰囲気になっていきました。

 

 

額賀さんの講演『未来への希望を紡ぐ、人口160人の島とともに育つ私設図書館』

その後、講演がスタート。男木島図書館の運営の他、ウェブデザイナーやライターなどの仕事も掛け持ちしながら、島で暮らしている額賀さん。

幼少期からのご自身のことを振り返りながら、男木島に移住した経緯を話してくれました。大学を卒業して、就職後に娘さんを出産しましたが、子育てと会社員の両立に限界を感じフリーランスに。転機になったのは2011年の東日本大震災でした。ボランティア活動を行ない、自分の故郷のことを考えている時に、同時に夫の故郷である男木島では過疎化が進んでいると聞きます。それから2年後の2013年、瀬戸内国際芸術祭の際、休校していた男木島小中学校でのワークショップに参加した娘さんの「この学校に通ってもいい」という一言から、夫に火が付き、2014年に移住することになったそうです。

 

 

移住後、男木島図書館を作ることになり、まずは自分たちのことを知ってもらおうと、ウェブサイトを作成。様々な困難や大変なこともありましたが、クラウドファンディングでの支援や島の人たちに助けてもらいながら、開館することができました。

終盤には、男木島図書館は「継続すること」が課題であり、まずは10年続けていくことだ、そう額賀さんは話しました。また、男木島図書館のスタンスとして、本を読むのが偉いというヒエラルキーを作らない。読むこと=良いというわけではない、というお話などもしていただきました。

 

 

対話の時間

額賀さんの講演が終わったあとは、3人~4人のグループになって、感想のシェアを行いました。

その後、それぞれが講演の内容等について、疑問に思ったことや深く聞いてみたいこと、グループワークで出た話題を額賀さんに質問。
「図書館運営の資金はどうしているのか」や「情報発信の仕方に悩んでいる」など、どの質問も非常に興味深く、真摯に答える額賀さんの言葉をメモしている方も多く見られました。

 

チェックアウト

チェックアウトでは、額賀さんからの提案で「次に自分がどうするか」という感想を発表することになりました。

今までやっていなかったことにチャレンジしてみたいという方や、モヤモヤしていたことに向き合っていこうと決めた方、男木島図書館に行く、と宣言される方もいて、それぞれが一歩を踏み出す勇気をもらえたように見えました。

 

 

※総括

今回は、図書館のお話だけでなく、男木島での暮らし方や地域との関わり方、仕事のスタンスなど色々なことを聞かせていただきました。
額賀さんの言葉に共感している参加者の姿も見られ、「来てよかった」という感想も聞かれました。今度も、講師や参加者同士の交流がより深まるような場づくりをしていきたいと思います。

 

(レポート:上野 伊代)

 

問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒781-0084 高知県高知市南御座90-1 高知 蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

イベント詳細

こうち女性起業家応援プロジェクトとは?
「こうち女性起業家応援プロジェクト」は、起業や育児休業後の職場復帰や再就職、移住後のキャリアチェンジ、そして、キャリアアップを目指す女性を幅広く支援するという想いから、各分野で活躍する起業家をゲストに迎えたセミナーや、生活目線から考える事業アイデアの創造に向けた学びの機会を提供し、高知の女性が自分事として取り組むことのできる新たなチャレンジを後押しすることを目指しています。

「何かチャレンジをしたい」、「新しいことに取り組んでみたい」、「まだ誰にも言ってないけどこんなアイデアがある」、「もっと自由に生きてみたい」皆さん、仲間と一緒に、ワクワク感溢れる自分らしい生き方を見つける一歩を踏み出すきっかけづくりをしていきたいと思っています。

#2『未来への希望を紡ぐ、人口160人の島とともに育つ私設図書館』
こうち女性起業家応援プロジェクト、第1回目となるセミナーでは、人口約160人の香川県の男木島で私設図書館を運営する、額賀順子さんをゲスト講師にお迎えします。

平均年齢70歳という人口減少が著しい男木島で、休校していた学校の再開運動を行った夫に刺激され、築100年の古民家を改装し『男木島図書館』を開設。
本を所蔵しているだけではなく、人と人の繋がりを生む場所として島内だけでなく、外からも沢山の人が足を運ぶ交流拠点となっています。

今回のセミナーでは、額賀さんの想いを参加者とともに共有していきます。

セミナーのタイムラインイメージ
本セミナーでは、講師からの一方的な話題提供というスタイルではなく、参加者も自分の想いや考え、気づきを対話を通じて共有していく参加型スタイルで進められます。

セミナーは大きく3部構成となっています。
第1部では、ゲストからのキーノートスピーチを聴講します。
第2部では、参加者同士がキーノートスピーチを聞いての気づきをそれぞれのライフストーリーを紐づけながら共有していきます。
そして、第3部では、ゲストと参加者が一緒に対話を通じてそれぞれの学びを深めていきます。

※本講座は、2019年度「創業支援事業者補助金」を活用して開催されます。

レポート
2019.09.05(木)
19:00-21:00
こうち女性起業家 応援プロジェクト #2
~未来への希望を紡ぐ、人口160人の島とともに育つ私設図書館

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